Web制作において、プロジェクトの管理や進行をおこなうWebディレクター。
今回は、新卒で入社し現在3年目になるウィルスタイルのディレクターが、Webサイトを制作する中で、どんな役割を担っているのか、どんな1日を過ごしているのか、インタビューいたしました。
職種を聞くだけではイメージしづらいWebディレクターという仕事も、詳しく知ってみると、意外な一面や、「案外向いているかも」といった気づきがあるかもしれません。そんなWebディレクターの業務内容を1日の流れを通して知っていただき、少しでも身近に感じていただけたら幸いです。
9:30 出勤
ー 朝1番は何をしていますか。
まずは、1日のスケジュールを細かく設定することから始めます。プロジェクトを管理するディレクターにとってスケジュール管理はとても重要なこと。大まかなスケジュールは、前日に決めてから帰るようにしているのですが、朝1番にその日にすることを細分化しています。そうすることで、デザイナーさんへ指示を出すものや、お客様へ連絡する必要があるものが明確になるので、1日をスムーズに始めることができます。ディレクターとして、自分のスケジュールだけでなく、各案件の状況把握や明確な指示出しはとても大切な仕事です。
また、週に1回は朝1番に事務所の掃除をするようにしています。事務所がきれいだと気持ちが良いですし、自分にできることで少しでも会社に貢献できたらいいなと思っています。
ー 午前中はどんなことをしていますか。
午前中は、基本的にメールやお電話でご連絡をしていることが多いです。お客様をお待たせする空白の時間をできるだけ短くしたいですし、ディレクターの私が少しでも早くお客様と連絡を取ることで、デザイナーさんやコーダーさんの作業時間を増やすことができるからです。また社内外どちらにも共通することですが、異なったニュアンスで伝わってしまわないように、メールやチャットで終わりにするのではなく、お電話や対面で伝えることも大切にしています。小さなコミュニケーションを重ねることで関係性も更に良い方向へ変わっていくのではないでしょうか。
11:00 お客様先へお伺い
ー お客様先へお伺いすることはよくありますか。
週に2、3回程度お客様先へ伺っています。ウィルスタイルではお客様に会いに行くこと、お客様のことをよく知ることを大切にしているので、ディレクターは特に外出が多いかもしれません。私たちはメールやお電話、オンライン上だけのコミュニケーションだけではなく、対面でお話しすること、実際の会社やスタッフ様、商品を目で見て肌で感じることで、お客様の視点で制作ができると考えています。お客様を知るためなら、和歌山、熊本、東京、片道5時間以上かかる街にも会いに行きます。
ー お伺い先ではどんなことをしていますか。
シーンによって内容は異なりますが、新しくお客様からお問い合わせをいただいた際は、まずはディレクターがお客様先へ伺います。お客様の現状やお悩みを聞き、社内に持ち帰ってどんなご提案がベストなのか、どうしたらお客様に喜んでいただけるのかを考えます。ただ、すべて1人で解決できる訳ではないので、デザイナーさんやコーダーさんに相談し、力を借りながらお客様のお悩みを解決できるよう努めています。
制作中のお客様先では、インタビューや撮影、デザインのご案内などをおこないます。インタビューを通してサイトのデザインやコンセプトのヒントを得ることが多いので、1、2時間かけてじっくりお話をお聞きしながら、お客様のお人柄を引き出せるよう工夫しています。私が大切にしているのは、まずは笑顔でお話を聞くこと。私が思う聞き上手は笑顔で話を受け止めてくれる人なので、ありのままをお話いただけるよう、まずはお客様のおもいに耳を傾けることを心がけています。
ー 撮影はどんなことをしていますか。
撮影をおこなう際は、まずはロケハンをします。どんな写真が撮れそうか、自分たちがイメージしているものが本当に撮影可能なのか、事前に自分たちの目で確認。お客様に写っていただくシーンがある場合はロケハン時に私がモデル役をしてテスト撮影をしたり、当日スムーズに撮影がおこなえるよう入念に準備しています。撮影場所にもこだわっていて、イメージづくりのためにお客様のルーツやデザインイメージに合う場所を探すこともよくあります。
また、パートナーのフォトグラファーさんに撮影を依頼することもあります。撮影スケジュールの作成や、入念な打ち合わせ、当日の時間管理もディレクターの仕事なのですが、予定通りに良い撮影ができた時はとても嬉しいですね。
13:00 お昼
ー お昼はどんな風に過ごしていますか。
お弁当を持ってくることも多いですが、美味しいお気に入りのお店がいっぱいあるので、みんなで食べに行くこともありますよ。みんな仲が良いので、お昼の時間にコミュニケーションをとるのも楽しいですね。元町には美味しいコーヒー屋さんや、大好物のカレー屋さんもたくさんあるので、カフェ巡り・カレー屋さん巡りも密かな楽しみです。
14:00 社内打ち合わせ
ー どんなことを話していますか。
デザイナーさんとのブレストだったり、社内でのデザインプレゼンだったり、内容も緊張感も様々です。デザイナーさんとの打ち合わせでは、どうしたらお客様が喜んでくださるか、ユーザーに届くサイトになるかの意見交換や、デザイナーさんがつくったデザインの共有などをしています。私がディレクターをしていて1番好きな時間は、デザイナーさんがつくったデザインを1番最初に見る瞬間。入社して初めて担当したお客様のデザインがあがったとき、私が集めてきた色々な材料がこんなに素敵なものに仕上がるのかと、感動のあまり涙が出たことは今でも覚えています。だからこそ、その感動やデザイナーさんの熱量をお客様にも伝えられるように、私はディレクターとしてプレゼンを精一杯頑張ろうと決めているんです。
ー デザインが決まるまで、社内ではどんなことをしていますか。
デザイナーさんと試行錯誤しながらデザインを確定したあとは、弊社代表とCTOへのプレゼンです。良いリアクションを貰えることもありますが、そうでないこともあり、お客様に喜んでいただくために社内で意見交換を重ねてブラッシュアップしています。緊張の瞬間ではありますが、この時間があるおかげで本番は良いものをご提案できているのだと思います。
ちなみに、もちろん1番緊張するのは、お客様へデザインをお見せする瞬間です。社長や役員の方の前でのプレゼンは何年経っても慣れません。1年目に担当させていただいた、三光株式会社様でのプレゼンエピソードは制作実績ブログでご紹介しています。
16:00 作業
ー ディレクターの業務を教えてください。
プロジェクト管理だけでなく、サイトに使用する原稿や画像素材を集め、方向性を示すのもディレクターの大事な仕事。集めた情報や材料をもとにサイト構成や原稿、ワイヤーフレームというサイトの設計図のようなものを作成し、内容や仕様にずれがないか確認します。
サイト原稿についても、お客様に全ておまかせするのではなく、取材をおこないヒアリングすることが多いです。例えば、あいさつ文を書いてほしいとお客様にお願いをしても、どんな風に書いたら良いのか分からないというケースもよくあります。そんな時は、お客様先へ伺い取材を通して胸のうちをお話しいただくようにしています。お客様が原稿を考えてくださると助かる場面もありますが、聞いたこと、見たものを自分で書くことでお客様への理解が深まるような気がしますし、そんな風にしてつくったサイトの方が愛着も湧くと思います。
18:30 退勤
ー 終業後はどんな過ごし方をしていますか。
仕事が終わったらすぐに帰ることもありますが、ウィンドーショッピングをして帰ることもあります。会社のまわりにお店が沢山あるので、寄り道してしまいますね。また、誕生日のスタッフにはみんなでプレゼントを贈っています。とにかく人を喜ばせたいという理由で企画したのが始まりですが、何が1番喜んでもらえそうか、次はどんなプレゼントをしようか、とみんなでコソコソ準備する時間が楽しいです。
インタビューを通して、あらためてディレクターとして大事にしていきたいことを振り返ることのできた時間。ここでお話しした内容はあくまでも「ウィルスタイルのディレクター」としてのお仕事の一部ではありますが、そんな中でも色々な業務があるように思われた方も多いのではないでしょうか。
Webディレクターは業務が多岐にわたる故、はじめは四苦八苦するシーンもありますが、昔からなんとなく得意だったことや、褒めてもらえたこと、どこか喜びを感じたことなど、一見関連のなさそうな自身の経験を、ふとした瞬間に活かすことのできる職種のように思います。Web業界に興味をお持ちの方の中でも、過去の経験の点と点を繋いでみると実はWebディレクターに向いているということもあるのではないでしょうか。
この記事が、Web業界に興味をお持ちの方や、職種に迷われている方のヒントに少しでもなれていましたら嬉しく思います。
Interviewer / Photo:Designer Ayaka Okamoto
Interviewer / Author:Director Mariko Nishizawa