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事例紹介
Case study

新規事業をブランディングから伴走。8ヶ月で事業収益化へ。
株式会社BRUE
代表取締役 竹下 潤 様
Industry :
Area :
Share :
Member :
  • Account Director
    Kosuke Sakaguchi
  • Director / Engineer
    Rumina Kimura
  • Designer
    Yuki Ozawa
  • Photographer

淡路島に誕生した「RIDE+A」のブランディングと、信じて育てた1年間の歩み。

こんにちは。デザイナーの尾沢です。

これまでのCase Studyブログでは、ディレクターがWebサイトのリニューアルに焦点を当ててご紹介してきましたが、今回はブランディングという視点ですこし違った角度からお届けいたします。

今回ご紹介するのは、神戸市に本店を構え、アップガレージのFC事業を軸に展開されている株式会社BRUE様(以下、BRUE様)が、淡路島で新事業として開始されたレンタルサービス「RIDE+A」のプロジェクトについてです。(以前公開したBRUE様との制作エピソードもあわせてご覧いただけると嬉しいです)

本プロジェクトは、BRUE様のコーポレートサイトを制作している最中に、新事業の構想についてもご相談をいただいたことから始まり、嬉しいことに新しい事業が動きはじめる段階からご一緒させていただきました。

ただ形にするだけではなく、お客様の想いに寄り添って、公開してからも一緒に育てていく。
そんな、ちょっとお節介かもしれないですが、私たちが大切にしているスタンスをすこしでも感じていただければ幸いです。

淡路島で特別な体験を

対談を始める前に、RIDE+A様についてすこしご紹介させていただきます。「RIDE+A」とは、レンタル事業ではありますが、多くのレンタルサービスが提供されているように、単に乗り物や移動手段として扱うのではなく、代表の竹下様がこだわりを持って集めた特別感のある車種ばかりが並んでいます。いつもとはひと味違う車で、「淡路島の旅をもっと特別に、もっと自由に、心に残るひとときになってほしい」という想いから生まれました。

◯ サイトデザイン

取り扱いの車種は常に最新の情報を発信いただけるよう、簡単に更新ができる仕様に整えています。
1台ずつ、竹下様が丁寧につづってくださっている「おすすめポイント」は、車好きの方なら思わずわくわくしてしまうような見どころが詰まっています。

◯ わくわく感を伝えるメインビジュアル

RIDE+Aを利用することで体験できる特別な時間、体験を詰め込んでいます。
よりリアルに伝わるよう、KVには実際に淡路島をあちこち巡りながら動画を撮影しました。

効果はすこしずつ、すこしずつ

サービス開始から1年が経ったRIDE+A様。現在は、お客様が出発される際に丁寧にお見送りされているInstagramのストーリーを毎日のようにお見かけします。今だけに目を向けると、とても順調にみえるRIDE+A様ですが、実はローンチしてから3〜4ヶ月の間、お客様の反応はゼロ。期待を込めて投資している分、代表の竹下様は心が折れそうになる瞬間を何度も経験されてきました。

「Webサイトを作ったことでなんとかなるわけではないと聞いてはいたけど、正直、心のどこかでなんとかなると思っていた」「最低限の売上は上がっていくだろうとおもっていた」竹下様は当時のお気持ちを率直に、このように表現されています。

私たちは制作前に、Webサイトを作っただけでなにか劇的な変化が生まれるわけではないこと、Webサイトは作っておわりではなく、公開してからゆっくりと育てていくものとお伝えしています。頭では理解していても、公開直後の反響が見えにくい時期は、誰しも不安が募るもの。竹下様も当時は大きな不安を抱えていらっしゃったようにおもいます。だからこそ私たちは、公開後も定期的に近況をお尋ねしたり、お打ち合わせの時間を設けて、まずは地道に認知を広げていくことの重要性を再確認していきました。

サービス開始からちょうど1年が経った今、ここでしかできない体験を求めてすこしずつ反響が広がってきたのは、他にはない特別な商品の魅力と竹下様の努力があったことはもちろんですが、スタートの段階で、ブランドの根っこになる部分を一緒にしっかりと形にできていたからかもしれません。ここからは、これまでの歩みをBRUE代表取締役の竹下様との対談を通して振り返っていきます。

(Talk member)

  • 株式会社BRUE
    代表取締役
    Jun Takeshita
  • Will Style Inc.
    Account Director
    Kosuke Sakaguchi
  • Will Style Inc.
    Director
    Rumina Kimura

コーポレートサイトの制作中に舞い込んだ、わくわくする新事業の構想

Kimura
最初はコーポレートサイトのご相談でしたよね。
その最中に「実は淡路島で新事業を考えていて」とお聞きしたとき、すごくわくわくしたのを覚えています。
Takeshita
そうなんです。まだ頭の中にある段階だったのですが、ウィルスタイルさんならこの想いを一緒に形にしてくれるんじゃないかなと、思い切って相談しました。
Sakaguchi
新しい挑戦でご不安も多い中、まだコーポレートサイトも納品していなかった弊社のことをなぜ信頼してくださったのでしょうか。
Takeshita
制作を進める中で、些細なやり取りを含めてウィルスタイルさんは自分たちのことを本当に深く理解してくれているなと感じていたからです。窓口として対応くださった木村さんを筆頭に皆さん本当に親身になってくださったので、今では他の業者さんにもウィルスタイルさんクオリティを求めてしまうようになって困っているんです(笑)。なんだかあっさりな対応をされると物足りなく感じてしまうんですよね。 

一歩先を見据えた「RIDE+A」のはじまり

Kimura
今回は店舗名からご提案させていただきましたね。RIDE+Aは、ただの移動を超えたプラスの価値をお客様に提供するサービス。RIDE(乗り物)と土地名をプラスすることでその場所らしい旅を体験し、その土地の魅力を更に感じていただけたらという想いを込めました。今後、事業を拡大していく際のブランドの統一感を考えて、あえて「淡路島」というワードを直接入れず、地名の頭文字を組み合わせるだけで成立する表記にしているんです。「RIDE+◯」で全国の様々な土地へ派生していけるようなイメージです。
Takeshita
提案の時にその意図を伺って、私たちの今の事業だけでなく、未来の事業展開まで見据えて考案してくださったことに素直に感動しました。ここまで私たちの未来に寄り添い、一緒に歩もうとしてくれるんだと、これからの可能性が一気に広がっていくようなわくわく感がありましたね。公開後のブログにも書きましたけど、私の長い仕事人生の中でもウィルスタイルさんとの出会いは本当に良いご縁だとおもっています。
Sakaguchi
私のマインドとしては、「大切な家族や友人の会社を良くしたい」それくらいの熱量と距離感で、お客様には向き合っているんです。だから、時には少し偉そうに聞こえてしまうかもしれないけど、自分が思うことは一回すべてお伝えするようにしています。立場に関係なく、本音で思ったことを言い合える関係って、ものづくりにおいてすごく大事だと思うんですよね。
性格的にも「早く終わらせたいから、もうそのデザインでいきましょう」といった妥協がどうしてもできなくて。せっかく任せていただいたからには、お客様のご納得はもちろん、私たちも納得のいくものじゃないと意地でも納品したくないんです(笑)。
そういう本音のやり取りができる関係性を作るために、まずは相手に全力で興味を持つことを大切にしていて。だから初っ端のお打ち合わせから、あえて仕事に直接関係のないお話を3時間くらいして、「竹下さんは一体どういう人なんだろう」と、時間をかけて向き合っていくことから始めたんです。
Takeshita
本当にそうでしたよね(笑)。最初は「いつ仕事の話が始まるんだろう」なんて思ったりもしたんですが、あの3時間があったからこそ、私たちの本当の想いや、まだ言葉になっていない未来のビジョンまで引き出してもらえたんだなと、今になってものすごく腑に落ちました。
形式的なヒアリングだけでは、あの「RIDE+A」というネーミングも生まれなかったとおもっています。「良いものを作ろう」という熱量が伝わってきたからこそ、こちらも安心しておねがいすることができました。

迷いを乗り越えて見つけた、「RIDE+A」らしさ。

店舗名が決まった後に待っていたのは、ターゲットに響くイメージづくりです。竹下様は「せっかく淡路島で新事業を始めるなら、誰もが知っている有名キャラクターのスポットやBE KOBEのモニュメントのような、ひと目でわかる新しい観光名所にしたい!」という熱い想いがある一方で、コンセプトとのバランスを模索されていた時期がありました。そんな中、店舗外観についての壁打ちを重ねる中で、私たちはターゲット層や商品の魅力をあらためて整理していきました。リゾート地として賑わう淡路島だからこそ、あれこれ飾り立てるよりも、シンプルで洗練されている方が逆にパッと目を引くはず。通りかかった人が「ここは他とは違う、何か特別な体験ができる場所なんじゃないか」と直感的に感じてくれるように、そして、一時の流行りではなく、共感してくれた方にずっと響き続けるように、あえて「引き算」することをご提案させていただきました。外観のお話は一例ですが、このようにWebの枠を超えたデザインも一緒にご相談いただけたからこそ、ブランディングの視点でも、お店全体のトーンにより統一感が生まれたようにおもいます。

Sakaguchi
ネーミングやデザイン(Webの枠に関わらず)はもちろんですが、今回は新規事業ということで、ペルソナの設定、競合調査、事業収益化の計画などもご一緒させていただきました。RIDE+Aさんはビジネスで言うと、レンタカービジネスですよね。もちろん大手レンタカー会社のサイトからベンチマークしていったんですが、どれを見ても竹下さんがやろうとしていることとは全く違うなと。あんまり安直なことは言えなかったですけど、竹下さんのやっていること自体がもの凄くこだわりの詰まったことで、こだわりが強いサービスって、良い意味で万人受けはしないですよね。どっちかというと、自分もそっち側の人間なんですが(笑)。でも、その尖った魅力が良いっておもったんですよ。
Takeshita
たしかにそうですね。単なる移動手段としての乗り物ではなく、わくわく感やここでしかできない特別な体験を届けたいという想いでスタートしたので。
Kimura
もちろん広く多くの方に知ってもらう必要はありますが、割とニッチな世界だからこそ、共感を生むことが何より大切ですよね。何も知らずに来てもらうよりも、やっぱり中身をちゃんと知ってもらって、単なるお客様ではなく、ファンになってもらうことも続けていくうえでは大事なことだとおもうので。万人受けを狙うと、結果的に誰にも響かないってこともありますしね。
Sakaguchi
竹下さんの考えって、ウィルスタイルと同じような価値観だなとよく感じていたし、最初にレンタル事業のお話を聞いたときに、すごくわくわくしたことを覚えているからこそ、竹下さんにはこのレンタル事業で風穴を開けて欲しいとおもっていたんですよ。こういう想いでやってる方ってやっぱりそんなに多くはないですから。だから、「焦らずに行きましょうよ」という話だったんですけど、まぁ焦りますよね。
Takeshita
最初は思うように数字が動かなくて、「何がいけなかったんだろう」って。
Sakaguchi
新しい事業ですから、不安になるのは当然だとおもいます。投資したものから返ってこない時期って焦りを感じますよね。
Takeshita
でも、あのときウィルスタイルの皆さんに「まずは認知を広げることが大事。焦らずゆっくり育てていきましょう」と声をかけてもらって地道に進んできたことが、今こうして形になっているんだなと感じます。
オープン当初は「本当にお客様が来てくれるだろうか」と、ものすごく心配していた時期もあったので、半年前の自分には「大丈夫だよ!」と伝えてあげたいですね。
Kimura
たしかにオープンしてから3〜4ヶ月頃までは、お打ち合わせのたびに不安そうにされていたのが印象に残っています。その不安を少しでも和らげ、認知のきっかけを作れるよう、私たちにできることとしてチラシなども一緒に制作させていただきました。ベースとなるWebサイト自体は、ターゲット層にしっかりと届く設計をしていたので、「認知が広がるまでには、どうしても1年はかかります。だから焦らなくて大丈夫ですよ。この価値は、響く人には必ず響きますから」というお話をしていましたね。
Takeshita
あの言葉には、本当に救われました。「そっか、1年はじっくり構えよう」と、ブレない軸を持つことができたんです。とはいえ、個人的には半年で黒字化する目標を立てていて、実際は8ヶ月目で黒字転換することができました。
あの困っている時期は、SEO対策とか集客についての営業に、つい乗っかってしまいそうな心境でしたが、「コツコツですよ」という坂口さんの言葉がずっと頭の中に残っていて。
Kimura
サイト公開直後はどうしても営業が増えるので、セカンドオピニオンのようなイメージでSEO関係のご相談は都度してくださっていましたよね。
Takeshita
困ったときには相談させてもらってましたし、ちょっと失礼なことも言ってしまったかもしれません。それでも、いつも率直なご意見をくださるのでお話することで安心できていました。
その後は、自分でも考えていろいろやってみたり、ウィルスタイルさんに引き止めてもらったり(笑)。

「響く人には必ず響く」という確信が形になるまで

Kimura
オープンからちょうど1年ほどが経ちましたが、最近の反響はいかがですか。Instagramの投稿は、私たちも自分のことのように嬉しく拝見しています。
Takeshita
ありがとうございます!先ほどお話したように、ウィルスタイルさんからのご意見も参考に自分でも取り組んでみたことの一つがSNSマーケティングなんです。最近はSNSでプチバズリして、それをきっかけに知ってくださるお客様が増えていて、私自身もその反響の大きさに驚いています。オープン当初のあの静かなスタートを思い出すと、本当に感慨深いですね…。
Sakaguchi
まさに「響く人」に届き、そこからSNSなどを通じてじわじわと広がっていったんですね。私たちが最初に目指した「他とは違う、特別な体験ができる場所」という世界観が、時間をかけて淡路島に定着してきた証拠だとおもいます。
Takeshita
そうですね。それに、こうしてSNSで発信していく上でも、ベースとなるWebサイトがあることで、立派な鎧を身にまとっているような、ものすごい安心感があるんです。「私たちはちゃんとした想いを持ったお店なんだよ」と、自信を持って世の中に発信できている気がします。
Kimura
その鎧がしっかりと機能しているのは、竹下さんが日々お店を大切に育てて発信し続けてくださっているからこそだとおもいます。私たちが作った土台をもとに、この1年でここまでお店をパワーアップさせた竹下さんのひたむきな努力の積み重ね、本当に尊敬します。

今後について

Kimura
Webサイトを公開してからも、竹下さんご自身で更新してくださったり、サポートチームに「車種カテゴリーを追加してもらえませんか」とよくご依頼くださっていますよね。公開後も大切に育ててくださっていることがすごく嬉しいです。
Takeshita
BRUEのコーポレートサイトはもちろんですが、RIDE+Aは本当にこのWebサイトがベースになっていて。WordPressで組んでいただいたので、車種の追加も自分でできるじゃないですか。何か始めるときには必ずWebサイトから変更していかないといけないし、完全にWebサイトが軸になっているので、迷ったときには自分も戻れる場所になっている感覚ですね。1回原点に戻って、またそこから出発するみたいな。だからもう完全に「家」だなっていう感じがしています。ホームページだけにホームだなって(笑)。いつでも戻れる家があるから、これからも新しい挑戦ができる気がしています。
Sakaguchi
その感じはもしかして、もうなにか次のプランをお考えなんですか。
Takeshita
この1年で、ただガムシャラにやるのではなく、ビジネスとしてしっかり収益化するための仕組みを体感として掴むことができました。だからこそ今後は、安易に事業の規模だけを拡大していくのではなく、ブランドの価値をより一層高めていくための投資をしていきたいと考えています。

実は、すでに次の新規サービスの展開も考え始めていて。ずっと車が好きだったので、これまでバイクには全然興味がなかったんですよ(笑)。でも、お店に来てくださるお客様から「バイクはないんですか」という声をいただくことが多くて、それなら自分でやってみようと、思い切って免許を取得したんです。 実際に入り込んでみるとバイクの面白さがすごくよく分かりましたし、何よりバイク乗りの方々の気持ちに心から共鳴できるようになりました。だから、この事業をビジネスとしてもっと面白いものにしていきたいと本気でおもっています。

その新しい挑戦を形にするとき、ブランドの軸やビジュアルを安心してお任せできるのは、やっぱりウィルスタイルさんしかいないとおもっています。その時はまた、全力で私たちの想いを受け止めてくださいね(笑)。
Kimura
ありがとうございます!そう言っていただけて本当に嬉しいです。竹下さんのバイクへの熱い想いを聞いていると、私もわくわくしてきました。次の新しい挑戦のときも、一番近くで一緒に悩み、一緒に楽しむチームの一員でいさせてくださいね。「RIDE+◯」のこれからもずっと応援しています!

さいごに

自分たちの想いをしっかりと知ってもらい、ファンを増やしていくこと。あれもこれもと詰め込むのではなく、あえて引き算をしてブランドの軸を整えること。こうして時間をかけて作ってきた土台があるからこそ、今の「響く人には必ず響く」という確かな手応えに繋がっているのかなと感じています。このような素敵なサービスの立ち上げからお手伝いできたこと、心から嬉しくおもっています。

今回のプロジェクトを振り返って、あらためて感じるのは、ウィルスタイル内にもファンの多い竹下様のお人柄と、こだわりの詰まった商品、そして他では味わえない淡路島での特別な時間という、RIDE+A様が持つ唯一無二の魅力です。何より、お客様のご意見を真摯に受け止め、自分も免許を取ってしまうほど、お客様の声を大切に、時に迷いながらも前に進み続けることで、ご自身の選択を正解にされてきた竹下様のお姿には、私たちも本当にたくさんの勇気をもらうことができました。今の事業だけでなく、その先の未来まで。一歩先を見据えながら、これからも共に歩み続ける存在でありたいとおもっています。

  • Author / Photo
    Yuki Ozawa
  • Interviewer
    Kosuke Sakaguchi
  • Interviewer
    Rumina Kimura