カラダの調整所 karada-no-choseijo.jp
Credit
Designer : Yuki Ozawa
Engineer : Taku Matsumura
Photo : Yuri Takeuchi
もっと可能性を広げるために
理学療法士として11年間、総合病院でお勤めになったご経歴をお持ちの穂積様。患者様に快適な生活を送ってほしいとおもう反面、病院では全身を触ることに制約がかかってしまうため、最適な施術を行うことができない葛藤を抱えていらっしゃいました。そんな日々を過ごす中、ご自身の持っている力をもっと発揮できる環境に変えたいと、整体を新規開業することを決意されました。
その後、開業準備を進める中で、Webサイトの制作を目的に弊社へお問い合わせをくださったのです。初めてお会いした2023年11月頃は、まだ店舗名もきまっておらず、内装や機材の手配もこれからというタイミング。「それならば、サイト制作を始める前に、店舗名や内装についても一緒に考えていきましょう！」とお話が進み、ロゴ・Webサイト制作とあわせて一緒に開業準備を進めさせていただくこととなりました。
サイト制作を始める前に
正式に受注いただく前のお打ち合わせでは、サイトのデザイン以前にまだ内装のイメージができていないというお悩みをお話くださいました。
Web制作会社ではありますが、できるかぎり穂積様のお力になりたいという想いから、今回はインテリアのご提案シートを作成しご案内させていただきました。自動車運転免許の他に、唯一持っている資格がインテリアコーディネーターな私は、初めてデザインを担当させていただくお客様から、前職でも携わっていた大好きなインテリアについてもご相談いただけたこと、そしてお客様に心地よくお過ごしいただける空間づくりのお手伝いもさせていただけたこと、とても嬉しく印象に残っております。
カラダはすべて、つながっている。
カラダの調整所の施術は、バキバキと骨を鳴らし痛みを伴うような一般的な整体とは異なり、オステオパシーの考えのもと行っておられます。オステオパシーの特徴は、局所への対応ではなく「全身の調整」を行うことです。特に印象的だったのは、「体はすべてつながっている」というお考え。つながっているからこそ、痛みは局所的なものではなく全く違う箇所からきていることも多いそうです。そこで、カラダの調整所では全身をチェックすることで、どこに本当の原因があるのかを調べ、根本からの改善を目指しておられます。
店舗名は、そんな穂積様の施術内容を一番ご理解されている奥様が考案くださった「カラダの調整所」に決定しました。響きもよく、ふらっと通りすがりに看板を見かけた方にも「なんのお店かな」と興味を持っていただけそうで、本当にぴったりで素敵だなと感じています。
店舗名も無事に決まり、続いてロゴの制作に取り掛かりました。 痛みのない繊細な施術を連想いただけるように、細く角のとれたやわらかい印象となるよう意識して、一文字ずつ作字しています。また、店舗の内装準備においても穂積様がお気遣いされていた女性の入りやすさを考慮し、整体というよりもクリニック寄りの綺麗さ・清潔感を意識しました。
全体のコンセプトにしたのは「つながり」です。
ひとのつながり
ロゴタイプの「の」は好循環のサイクルに見立てた真円にしています。来店の度に症状が軽快していくことで強まる穂積様とお客様の信頼関係をデザインのヒントにしました。整体は口コミで広がることが多い業界です。症状が改善することで、同じように体の不調でお困りの大切なお知り合いにもきっとご紹介してくださるはず。このように、必要とされている次のお客様へとすこしずつ、つながっていきますようにという想いも込めております。
からだ全体はつながっている
「からだ全体は頭の先から足の先まで全身がつながっている」というオステオパシーの考えに則り、文字の止めや払いを切れ目なくつなげることで、痛み（局所）への対応ではなく原因の根本から改善していく穂積様ならではの施術を表現しております。
手で聴く、だから効く。
今回はWebサイトの撮影も弊社スタッフで担当させていただきました。
その際、弊社ディレクターが穂積様の施術の一部を実際に体験させていただいたのですが、体を触るだけで過去の怪我、体の不調まで言い当てられることに、近くで見学していた私も本当に驚きました。このような実体験から、「手で聴く、だから効く。」というキャッチコピーをご提案させていただきました。
ロゴと同様にWebサイトも、柔らかさ・清潔感を意識して制作しております。女性も一人で入りやすいような、クリーンで安心できる場所というイメージで、デザインにあわせてお写真の色味なども調整しています。
また、敬遠されがちな専門知識をできるかぎりフラットに受け入れていただけるよう、オステオパシーについては簡潔な図にまとめてご説明しています。カラダの調整所は、リハビリで効果のない方、手術後や入院後の方の最後の砦のような場所。まだ世の中ではあまり知られていないオステオパシーについて、より多くの方にご理解いただけることを目指しました。
制作を振り返って
穂積様からお話を伺うことで、私自身整体への印象がガラッと変わる制作期間となりました。デスクワーク中心の仕事柄ずっと興味はあったのですが、整体は痛みを伴う場所という先入観から今まで訪れたことはありませんでした。痛みを伴わずに全身を調整し、本来あるべきところに戻すことで自然に回復していくという施術は、まさに「あったら良いな」と感じていたもの。今後はお客さんとしてもぜひ訪問したいなとおもっております。
サイト公開後には、公式インスタグラムを開設されたり、ブログの記事もたくさん更新くださっています。このように積極的に活動されている姿を拝見し、カラダの調整所として新たな挑戦を始める穂積様の門出に立ち会えたこと、大変嬉しく感じております。実はエントランスに看板を設置する機会にも立ち会わせていただいたのですが、「もうひとつ大きい看板も作成しようかなとおもっています」と笑顔でお話くださり、初めて制作したロゴを大切に思ってくださっていることが伝わり、私も自然と笑みが溢れた瞬間でした。
TOPデザインのご案内後には、開店準備のため三ノ宮周辺のショップ巡りにも参加させていただきました。ご来店くださったお客様のことを一番に考えてくださる穂積様の優しさが詰まったカラダの調整所、ぜひ足を運んでいただきたいです。
あらためて、制作中にご協力をくださった穂積様に心から御礼申し上げます。本サイトがカラダの調整所様のご発展にすこしでも寄与できましたら幸いです。