株式会社翔陽 syoyo-al.co.jp

Category | Works

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Account Direction : Kousuke Sakaguchi
Direction : Yuri Torigaki
Logo Design : Tung-En Tai
Web Design / Front-end / Back-end / Photo : Mineo Okuda

心を合わせるためのひとつのツールとして

「サイト制作を提案したいお客様がいらっしゃるんです」そうご連絡をくださったのは、フューズエナジーのご代表である藤田様です。
藤田様はこれまで一般社団法人イーエンジニアジャパン様仁川学院高等学校同窓会様のサイト制作をご依頼くださり、いずれのサイトも公開後の運用にも注力してくださっています。
そうしてサイトの可能性を最大限引き出し、弊社とも長期的な関係性を築いてくださっている藤田様からご紹介いただいたのが、株式会社翔陽様(以下、翔陽様)でした。

翔陽様は、フューズエナジー様の顧客様であり、「発信」の側面からフューズエナジー様がサポートしていらっしゃるとのこと。プロジェクトを進められる中で、翔陽様の現状を踏まえると、このタイミングでサイトを制作するのがよいのではないかと考えられ、弊社へご相談いただいたという経緯を伺いました。
それまでに実施されていたご面談の内容を共有していただく中、「会社が今後どのように進んでいくのか、社長とスタッフの皆様が認識を合わせるきっかけをつくりたい」というお話が。会社が変革期を迎える段階であるということも踏まえ、それならばロゴも合わせて制作するのがよいのではないかという話に至り、コーポレートサイトのリニューアルとロゴ制作をご提案させていただくことになったのです。

早速社長とのお顔合わせの機会を設けていただき、尼崎本社へ。
サイトやロゴの制作についてお話させていただいたところ、社長は「業界内でWebを重視している会社が少ない分、差別化をはかれる」「自分たちがつくるものが社会・生活を支えているとスタッフ自身が可視化できることで、意識の変化に繋がる」という視点から、前向きに検討してくださっているご様子でした。
そして後日、ぜひ制作を進めたいとのご連絡が。

こうして、翔陽様、フューズエナジー様、弊社の3社での制作がスタートしました。

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見えてきたのは、熱い思い

翔陽様は、アルミ合金鋳物を主要製品とし、砂型鋳物での試作から金型鋳物、ダイカストでの量産まで、一貫した対応を可能とされています。
創業時から「アルミでお客様の課題を解決したい」「アルミで世の中をよくしたい」という思いのもと、アルミの可能性を追求し続けていらっしゃる、まさにアルミのスペシャリストです。

そんな翔陽様の現状や目指す姿、つくられている製品、そして、スタッフ皆様の思いをより深く理解するため、まずはヒアリングを実施させていただきました。
ご協力くださったのは、会長や社長をはじめとした総勢9名の方。会社の未来を担う存在として社長からご推薦いただいた方、ヒアリング中に他のスタッフ様からお名前が挙がった方にお声がけをさせていただきました。

経歴も役職も職種も異なる皆様。会社やご自身の今・未来についてそれぞれのお考えをお持ちである中、共通しているのは、会社のことを思い、問題や課題も自分事として捉え、行動に移していらっしゃるということです。
皆様が抱いていらっしゃる会社への強く、熱い思いに、私たちも心を打たれる瞬間が多くありました。

このヒアリングの時間を通して伺ったお話の中でも特に重要なポイントだと感じたのは、下記の点です。

  • 先代が積み上げてきた信頼・安心を基盤に、会社は次のステージへ。今こそ変わるべき時。
  • 独自の強みは、特殊な鋳造方法。同業他社があまりつくろうとしないような難易度の高い製品をつくり続けている。
  • 技術力を承継し、お客様の問題を解決するための引き出しをさらに増やしていくことが必要。
  • アルミや鋳造を好きな方、興味のある方に入社してほしい。

多くのスタッフ様にお話を伺ったことで、制作へのヒントをたくさん得られたということはもちろん、皆様が初対面の私たちにも胸の内を素直にお話してくださり、心から伝えてくださったため、私たちも少しでもお力になりたいという思いがさらに増していきました。

今と未来をロゴに込めて

上記のヒアリングに加え、工場見学もさせていただき、鋳造の現場を肌で感じさせていただきました。
驚いたのは、何といってもその暑さ。アルミ原料を加熱して溶かす溶解炉内は約700℃以上に保持されており、溶かしたアルミの温度も非常に高いため、工場全体も暑い空気に包まれるようです。
立っているだけでも暑さを感じる環境の中、スタッフの皆様は黙々と作業を進め、ひたむきにアルミと向き合っていらっしゃり、その姿を拝見して様々な「熱」を感じました。

こうして皆様から伺ったお話や私たち自身が感じたことをデザインに反映するため、まずはキーワード化しました。そこで挙がったのが、「変革期」「成長」「熱」「承継」「真の面白さ」の5つです。
そして、これらのキーワードに加え、「翔陽」という社名から着想を得て制作したロゴがこちらです。

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社名の「翔」という漢字にも含まれている「羽」。羽のモチーフは、「上昇」や「飛躍」を意味し、自らが持っている魅力や能力を高めるという役割を持ちます。
羽をイメージするあしらいをワンポイントとして取り入れることで、さらに翔陽様やアルミ業界が飛躍する姿を彷彿とさせます。


社名のもう一文字「陽」から結びついた「太陽」は、「O」の部分を真円にすることで表現しました。太陽というのは、世の中を照らしてくれるもの。普段そのありがたさを実感することはなかなかないものの、私たちの暮らしにはなくてはならない存在です。
そして、それは、翔陽様がつくられている製品にも言えることです。日々の生活の中で目にする機会は少ないものの、縁の下の力持ちとして人々の暮らしを支えている翔陽様の製品。この2つには通ずる部分があると感じたため、デザインのヒントにしました。
そしてこの真円が持つもう一つの意味、それは、「連続性」です。
10代の頃からアルミ鋳造を続けてこられた会長がふとおっしゃったのは、こんなお言葉。「鋳造をしていると、時には壁にぶつかるかもしれない。それでも、どうやって乗り越えようかと工夫を懲らすことによって、ものづくりの真の面白さに気づけるんです」
このお話をもとに、試行錯誤を重ねることが面白さや成長に繋がり、その先にまた新たな試練が出てきてそれを乗り越えようとする…という連続性を表現したいと考え、真円を用いました。

グラデーション
青色を基調としたのは、スタッフ様の熱い思いを表すためです。一見すると落ち着いた色味に感じますが、炎の色に置き換えると、最も熱い色であることから採用しました。
そして、グラデーションをかけることにより、技術力が受け継がれていくという「承継」の意を、さらに、成長のために会社が柔軟に変化し続けるという「ポジティブな変化」の意をプラスしています。

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こうしてたくさんの意味と思いを込めたロゴデザインをご提案すると、会長からは「新鮮な気持ちになってよいですね」と、社長からは「これまでの話を汲み取って反映してくれているのが伝わります」というお言葉をいただきました。
さらにその後、「早速次の展示会で新しいロゴを使用したいと思っているんですが」とご相談いただいた時には、活用していただけることの嬉しさから思わず「ぜひ!」と即答したことを覚えています。

アルミがどういうものか、ご存知ですか?

ヒアリングの途中、会長からなされたこの問いかけに対して、当時の私は「軽いものですかね」とありきたりなことしか返答できませんでした。
すると、会長は続けて「アルミは今や世の中にあふれていて、誰もがその存在を知っていますが、どういうものかを詳しく知っている人は少ないんですよね。アルミには知られざる魅力がたくさんある。私たちはアルミのプロフェッショナルとして、どんなことでもご相談いただければ様々な形でつくりあげることで、アルミの可能性を広げていくことが役割なんです」と。
さらに、宝石として名高いルビーやサファイアは酸化アルミニウムの結晶からできているというお話、アルミを使ってこんな製品ができるのではという会長のアイデアを伺っているうちに、私たち自身も自然とわくわくした気持ちになっていました。
このアルミの魅力や面白さというのをサイトでも何か取り入れることができないかと考えながらサイトのデザインを進めていきました。

そして、実際に形で表現したうちのひとつが、キービジュアルです。
回転しながら浮かんでいる「△▢◯」の図形。これは、様々な形状に成形することが可能であるというアルミの加工性の高さを表現しています。
そして、皆さんお気づきでしょうか。この図形の中には、アルミの元素記号「AL」の文字が含まれているのです。

さらに、キャッチコピーの下にもアルミが持つ特徴を示すような尺度などをあしらいとして取り入れることで、なんだろうと関心を持っていただくためのひとつのきっかけをつくっています。

また、アルミのスペシャリストである翔陽様だからこそ伝えられること、伝えるべきことがあるのではないかという視点から、「アルミの特性」というページを設けました。
お客様にも、まずはアルミがどのような特徴を持ち、どれだけの可能性を秘めているのかを知っていただいた上で、ご提案するという流れでご活用いただけるような、営業ツールとしてのページにもなっています。

加えて、アルミのことをもっと詳しく知りたいと感じてくださった方向けに、「アルミのはなし」と題するコラム記事への導線を設置し、より詳細な情報を皆様にブログ記事として発信していただけるようにしております。

「アルミのことを知りたい時は、翔陽様のサイトに」「このページを見てアルミの魅力に気づいた」そう思っていただけるページとなるよう、これからもコラムを通してアルミの魅力を発信していただき、このページを育てていただきたいと思っております。

おもいを紡ぐ対談ページ

上段でも記載したように、社長もスタッフの皆様も「アルミや鋳造を好きな方、興味のある方に入社してほしい」という思いをお持ちであり、今回のサイトにおいて採用情報は重要なコンテンツのひとつ。
中でも、最も会社のリアルが見えるスタッフ様のインタビューは、求職者の方にとって肝となるコンテンツであるため、インタビューの形式も検討を重ねました。
そして、ヒアリングを通して感じたスタッフ様同士の関係性をさらに引き出すため、対談形式で行うことになりました。

まず、尼崎本社では3名の方にご協力を依頼。
今の翔陽様に対してどう感じていらっしゃるのか、会社やご自身の未来をどのように描いていらっしゃるのか、品質保証課長、営業職、技術職と、職種も入社歴もまったく異なる方々にお話していただくことで、あらゆる角度から翔陽様を感じていただけるようなページを目指しました。
「こうやって話すことはなかなかないですね」「なんだか気恥ずかしいです」と、最初は照れくさそうな様子を見せていらっしゃった皆様。それでも、素直な思いをありのままの言葉でお話してくださり、リアルを届けられるようなインタビューとなりました。

そして、三重工場では、工場の、会社の未来を担うおふたりにご協力いただきました。
おひとりずつ話を伺っていた時からお互いに頼れる存在としてお名前を挙げていらっしゃり、目標とされていることも近しいものがあったため、これはぜひ対談で深くお聞きしたいという思いのもと実現したものです。
時折冗談を挟みながら、終始和やかな空気が流れていたのが印象的なインタビュー。おふたりに共通する熱い思いと、リスペクトし合い、支え合っていらっしゃるとても素敵な関係性が垣間見えるお時間でした。

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制作期間を終えて

サイトが公開した際、社長よりいただいたメールにはこんな一言が。「今後、弊社全員でサイトを可愛がり、育てていきます」サイトを我が子のように大切に思ってくださっていることが伝わり、とても嬉しく、自然と笑みが溢れた瞬間でした。

今回の制作にあたり、お忙しい中にもかかわらず、フロントに立って私たちにも丁寧に、真摯にご対応くださった社長、ヒアリングやインタビュー、撮影など、度々お時間を頂戴しましたが、いつも快くご協力くださった会長やスタッフの皆様に、心より御礼申し上げます。

そして、こうして翔陽様とのご縁を繋いでくださり、制作にあたってもご尽力いただきましたフューズエナジー様にも感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。本当にありがとうございました。

今後は、引き続きフューズエナジー様のサポートのもと、ブログ記事の更新に注力してくださるとのこと。サイトがますます翔陽様らしく彩られることを、私も楽しみにしています。

本サイトを通して、翔陽様のさらなるご発展に少しでも寄与できることを願っております。

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