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Webディレクターの仕事で悩む人に読んでほしい、コミュニケーション上達のための本5選

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Webディレクターの仕事で悩む人に読んでほしい、コミュニケーション上達のための本5選

こんにちは。ディレクターの池原です。
三寒四温で体調管理がむずかしい時期ですね。みなさんは健康を維持するために取り組んでいることはありますか?私はヨガと軽い筋トレが日課です。最近プロテインの量を増やしてから筋肉がつきやすくなった感覚があり、日々の運動が楽しくて仕方ありません。目下の目標はお腹を割ることです。

さて、すでにキャリアがある方も、これから目指す方も、Webディレクターという職種にどんな印象をお持ちでしょうか。「Webディレクター」でGoogleサジェストキーワードを検索してみると「しんどい」「大変」「向いていない」「早死に」などのネガティブなワードがちらほら。
たしかにWebディレクターは悩みの多い仕事かもしれませんが、やり甲斐や達成感を得やすい職種でもあると私は考えています。

今回はWebディレクターの仕事に多いと思われるコミュニケーションの悩みについて、私の体験をもとに綴ってみたいと思います。

Table of contents

  1. Web制作にコミュ力は欠かせない
  2. Webディレクターはストレス負荷が大きい?
  3. コミュ力は学ぶことで上達させられる
  4. 読書のすすめ
    1. アサーション入門
    2. 夫婦・カップルのためのアサーション
    3. ビジネスパーソンのためのアサーション入門
    4. 佐藤可士和の超整理術
    5. マインドフルネスストレス低減法
  5. おわりに

Web制作にコミュ力は欠かせない

Webディレクターはコミュニケーションが命のおしごと。

クライアントの現状を聞きながら課題を発見し解決するための道筋をたてる、コンセプトを制作チームに理解してもらう、上がったデザインをクライアントにプレゼンする、このようにWeb制作のプロセスはすべての場面においてコミュ力がためされます。

クライアント、デザイナーやエンジニア、会社の上司や部下、場合によっては外部パートナーなどコミュニケーションを必要とする対象は多岐にわたります。
クライアントの課題を解決し、ビジョンの実現に貢献する「良いWebサイト」をつくるためには、制作にかかわるすべての人との良質なコミュニケーションを築こうとする姿勢がとても大切です。

Webディレクターはストレス負荷が大きい?

とはいえコミュニケーション力は、誰しもが高度に持ち合わせているスキルではないですよね。気の知れた友人とのコミュニケーションは全く問題なくても、ビジネスとなると途端に自信をなくしてしまうこともあるかもしれません。

私も入社当時、Webディレクターとしてのコミュニケーションには苦手意識がありました。
「クライアントの業界についての知識がない」「Webに関する専門的知識も不足している」といった事実によって自分の発言に自信を持てず、クライアントから指摘をうけると自分がすべて間違っているような感覚に陥ります。制作チームに対しても「私はこうした方がいいと思う」という意思を伝えられず、納得しないままではプレゼンも上手くいくわけがなく、結果としてクライアントから修正指示をたくさん持ち帰り迷惑をかけていました。

Webディレクターはマルチスキルが求められる職種ですが、すべてを身につけるには相当な経験と時間が必要です。
そのため背伸びをしてコミュニケーションをしようとすると無力感を味わうことが多くなり、ストレスを溜め込んでしまいがち。クライアントと制作チームの板挟み状態になることもしばしばあります。Webディレクターが抱えるストレスの要因のほとんどは、コミュニーケーションが上手くいかないことによるものではないでしょうか。
ストレスゲージが限界になると、仕事が楽しくなくなったり、体に不調をきたしたりと、仕事と日常生活の両方に悪影響を及ぼしかねません。

コミュ力は学ぶことで上達させられる

逆に捉えると、正しいコミュニケーションを学ぶことでストレスをコントロールできる習慣を身につければ、Webディレクターとしてのキャリアを継続させることはそう難しくないかもしれません。

コミュニケーションを学ぶために私が実践してきたことの一つは、コミュニケーションが上手な人たちを観察することです。
たとえば交渉が得意な会社の上司。打ち合わせに同行したときは、上司とクライアントのやり取りから自分でも取り入れられる要素がないか探しながら観察していました。

ひとつエピソードを紹介します。
上司がクライアントから専門的な質問をされたときのことです。「私はエンジニアではないので分からないのですが、すぐに確認して回答しますね」とレスポンスしたことがありました。私はその上司の対応から「そうか、分からないことは分からないと言っていいんだ」と気づかされました。というのもWebディレクター=Webコンテンツのプロ、つまりWebに関する質問はなんでも答えられて当然といった思い込みがあったからです。

それぞれの得意分野を持ち寄って補いながら仕事をするのが会社です。クライアントは個人ではなく会社に依頼しているので、会社全体で対応すればいい。Webディレクターという肩書きにプレッシャーを感じるのではなく、分からないことは適切な人に助けを求めて、最終的にクライアントの課題が解決できればなにも問題はないのです。

はじめのころはクライアントからどんな質問がくるのか常に不安でしたが、「正直であっていい」と気づいてからは身構えずに対応できるようになりました。分からないことを正直につたえること、代替案を提示すること、ポイントはこの2つです。

このように、コミュ力が高い人が周囲にいる場合は「自分のコミュニケーションと違うところは?」と彼らをよく観察してみると、多くの気づきを得られると思います。

読書のすすめ

コミュニケーションは日々の積み重ねで鍛えることができますが、コツや技術を学ぶことも大切です。正しいフォームでトレーニングをしないと、効果的に筋肉がつかなかったりケガをしてしまうのと同じですね。

コツや技術を学ぶために、私は読書をおすすめしたいです。
今日ネットから得られない情報はほとんどありませんが、それらは二次情報です。その情報がほんとうに信頼できるものか判断がむずかしいですし、科学的な根拠が不十分な主張も多くあります。情報としての価値が高い一次情報を求めるなら本がもっとも手軽だと思っています。

私もコミュニケーションはまだ試行錯誤の日々ですが、読んでよかったと思える本をいくつか紹介いたします。

アサーション入門

アサーション入門
主張することが苦手な方や、話しているとなぜか相手を怒らせてしまったり不安にさせてしまうことが多いと感じる方へ。『アサーション入門』をおすすめします。
アサーションは「自分が話したいことを非主張的にも、攻撃的にもならず、なるべく率直に、素直に伝えると同時に、話した後には、相手の反応を待ち、対応することも含んだ自己表現(引用:アサーション入門)」です。
1950年に北米で生まれた概念でもともとカウンセリングの訓練法として導入されていましたが、現在は教育や福祉、産業などの分野に広がっています。

たとえばあなたが絶対に見逃したくない番組がある時間に、友人から夕食に誘われたらどう対応しますか?①断るのは悪いので「いいよ」と答える。②「そんな急に言われても無理」と自分の予定を優先する。③「どうしても見たいテレビがあるんだけど、今日がいい?」と相手の思いを確かめてみる。①は非主張的(non-assertive)、②は攻撃的(aggressive)、③はアサーティブ(assertive)な自己表現です。アサーティブは①と②のちょうどよいバランスで、まずは自分の気持ちを大切にしたうえで、相手にも配慮する自己表現なのだそうです。

アサーション入門』を読むことで、自分の自己表現の傾向を把握し、アサーティブな思考とアサーティブな自己表現の手法を学ぶことができます。読み進めながら、コミュニケーションが得意な身近な人々を想像してみると、まさにアサーションの方法をとっていることに気づきました。

クライアントや上司に言いたいことが言えない、自分の発言のせいで険悪なムードになってしまうことがある、といった方はぜひ読んでみてください。

アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 (講談社現代新書)
平木 典子 著

コミュニケーションがうまくいかないときや人間関係が難しいとき、「アサーション」を理解すると、関わりを建設的に変えることができます。「自分も相手も大切にする自己表現」を意味するアサーションは、私たちの会話を心理学の知恵をもとに読み解き、日常のやり取りに変化と充実感をもたらすコミュニケーションの方法と関わり方です――<「はじめに」より>

夫婦・カップルのためのアサーション

夫婦・カップルのためのアサーション
アサーション入門』ではアサーションの考え方を学ぶことができますが、より実践的な内容を知りたい方はこちらの図書がおすすめです。
あえてこの本を推奨するのは、私が読んだアサーション関連の本の中ではもっとも実践的な解説が充実していた上にわかりやすかったからです。パートナーとのコミュニケーションにフォーカスした内容ではありますが、ビジネスや友人関係にも十分応用できます。
DESC法を使ったアサーションが紹介されており、特に取り入れやすい方法だと思います。

夫婦・カップルのためのアサーション: 自分もパートナーも大切にする自己表現
野末 武義 著

葛藤を抱える夫婦の援助に長年携わってきた著者が、二人の関係をよりよくするためのものの見方・気持ちの伝え方を紹介する。

ビジネスパーソンのためのアサーション入門

ビジネスパーソンのためのアサーション入門
ビジネスに特化したアサーションを学びたい場合はこちらもあります。
アサーション入門』の著者 平木氏と、経営学組織行動論の金井氏の共著による同書は、アサーションと経営学の融合という趣旨の内容で興味をかきたてられます。私はまだ読了していないため評価ができませんが、ビジネスシーンでのアサーションに興味がある方のために紹介しておきます。

ビジネスパーソンのためのアサーション入門
平木 典子, 金井 壽宏 著

アサーションとは「自分も相手も大切にする自己表現」である。人はひとりで生きているわけではない。人との関係の中で育ち、成熟していく。そのためにコミュニケーションは誰しもが必要なものなのだ。もし、私用があるのに残業を頼まれたらどうすればいいだろう?引き受けるか?断るか?正解があるわけではない。自分はどうしたいのか?自分が思うように動くことができればいいのである。そのためのコミュニケーション術として活用していただきたいのがアサーションである。本書は、アサーションの平木典子先生と経営学組織行動論の金井壽宏先生とのコラボレーションにより、心理学と経営学の架け橋となる1冊に仕上がった。

佐藤可士和の超整理術

佐藤可士和の超整理術
キリン極生やユニクロ、今治タオルなどを手掛けたことで有名なアートディレクター佐藤可士和氏の著書。佐藤氏がどのような考えでクライアントとコミュニケーションをとり、プロモーションしているのかを知れる一冊です。
佐藤氏は本のなかでアートディレクターを次のように表現しています。

僕の行なっているアートディレクションは、アーティストのようなアプローチとはかけ離れたもの。[…]ドクターよのうにクライアントを診療し、問題を解決していくといったほうがふさわしい引用:佐藤可士和の超整理術

クライアントの思考を整理し、クライアントの中から答えを見つけて形にすること。佐藤氏の仕事術からWebディレクターが学べることは多いのではないかと思います。
コミュニケーションという点においても、自分の考えを的確に相手に届けるために、自分や相手の思考を整理することは有効です。同書ではその整理の過程を、空間・情報・思考と3つのセクションに分けて解説しています。

本の内容もきちんと整理されていて読みやすいため、1時間半ほどで読了できました。すきま時間に、ぜひ手にとってみてほしい本です。

※現在は肩書きをクリエイティブディレクターとされていらっしゃるようです。

佐藤可士和の超整理術 (日経ビジネス人文庫)
佐藤 可士和 著

「アイデアは無理やりひねり出すのではない。対象を整理し相手から見つけ出すものだ」――各界から注目され続けるクリエイターがアイデアの源を公開。現状を打開して、答えを見つける方法、教えます!

マインドフルネスストレス低減法

マインドフルネスストレス低減法
こちらは番外編ですが、日々のストレスと付き合うためにおすすめしたいと思います。
マインドフルネスは科学的なものからスピリチュアルにいたるまで関連本が多くありますが、「マインドフルネス」という言葉が一人歩きしてしまっている印象も受けます。
マインドフルネスストレス低減法』はマインドフルネス認知療法を提唱したカバットジン氏ご本人の著書です。マインドフルネスに興味がありましたら、最初の一冊はぜひ原典を読んでみてほしいです。コミュニケーションや仕事のストレスについても言及されていますので、それらの悩みを持つ方も参考になると思います。

マインドフルネスには自分の心の動きに注意を向けるためのトレーニングが含まれます。
アサーションも思考の整理も、まずは自分自身の感情や考えを知ることからはじまります。誰しも少なからず思考のクセがあるそうですが、凝り固まった思考は視野を狭め、クリエイティブな業界で仕事をする際に障害となってしまう可能性があります。

また「〜するべき」といった思い込みも、それに反する行動をとる相手に不満を感じやすくなります。たとえばメールの返信が遅い相手にイラっとしたとき、その裏には「メールは早く返すべき」といった思い込みがあります。その期待を裏切られたからイライラしてしまうそうです。そこで感情を押し殺すことでストレスが溜まったり、逆に鋭い口調で指摘したことで関係が悪化してしまったりと、思考のクセは人間関係がうまくいかない要因のひとつとされています。

近年はアンガーマネジメントやストレスコーピングなど、怒りやストレスをコントロールするための方法が提唱されていますが、それらはすべて「今この瞬間の自分の感情を知る」ことからはじまります。その際にマインドフルネスが役に立ちます。
マインドフルネスは幅広い分野で取り入れられており、IT大手Googleでも社内でマインドフルネスを実践しているそうです。同社のエンジニアが科学的根拠に基づいて説明したマインドフルネスの本も出ていますので興味があれば読んでみてください。

マインドフルネスストレス低減法
Jon Kabat‐Zinn 著, 春木 豊 訳

心理療法の第3の波,マインドフルネス認知療法の源泉となるカバットジンの名手引書の復刊。

おわりに

憧れてWebディレクターになったのに、ストレスを抱えて「自分は向いていないんじゃないか」と悩んでしまう時期もあるかもしれません。私もそうでした。
そんな時は自分にストレスを与えているものは何かを、一度じっくり考えてみてください。そのストレス要因をどう解釈するか、どう対処するかで影響される度合いも変わってくるのではないかと思います。

今回の記事はWebディレクター向けに、ストレス要因がコミュニケーションにあると思われる場合を想定して執筆いたしましたが、Webディレクターに限らず、コミュニケーションはどの職種でも共通する悩みの種かと思います。

コミュニケーションに苦労してきた私の体験をシェアすることで、本記事がご自身のキャリアを築く一助としてお役に立てば幸いです。

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Author | Shiori Ikehara / 4,543views

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