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ウェブ解析士を受験してみた

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こんにちは!
つい先日、誕生日を迎えたディレクターの池原です。

学生の頃までは毎年ワクワクしていた誕生日も、社会人になるとあの頃ほど楽しみでも無くなっているな〜、と思っていましたが、やっぱりお祝いされると本当に嬉しいものですね!
改めて、特別な日を祝福してくれるような友人や家族に恵まれている事に、心から感謝した1日でした。

さてさて、9月にウェブ解析士を受けてきた私。

結果は・・・、合格でした!

余裕を持って1ヶ月勉強しましたが、合格ラインギリギリでした。

そこで今回は、私が実際に試験を受けてみて、効果的だったこと、「もっとこうしていたら良かったかな」と思ったことなどをまとめたいと思います。
これからウェブ解析士の受験を検討されている方、参考になれば幸いです。

Table of contents

  1. ウェブ解析士とは
  2. カリキュラム
  3. 資格取得のメリット
  4. 試験の難易度
  5. 試験までの1ヶ月間
  6. 試験当日と合格後のレポート
  7. 受験してみての感想

ウェブ解析士とは

ウェブ解析士は、この業界の方なら一度は耳にしたことがある方も多いと思います。

しかしながら、まだまだ知名度が高いとは言えず、当記事執筆のために「ウェブ解析士」を検索してみると、いつも頼りにしているWikipediaさんにも登録されていない職業のようです。

一般社団法人ウェブ解析士協会のサイトでは、ウェブマーケティングについて下記のような説明があります。

ウェブマーケティングに必要なスキルは、単にアクセス解析の知識だけでなく、

観測すべきKPIの設定

事業に則した現状分析および目標を達成するための計画立案

プロジェクトのファシリテーション 等、多岐にわたる能力が求められています。

ウェブ解析士は、このような専門的知識と実践的スキルを習得していることを証明するための認定資格です。

ウェブ解析士の役割

ウェブ解析というと、Analyticsなどのアクセス解析をする事と思われがちですが、ウェブ解析士は単にアクセス解析を行うだけではありません。

「企業のビジネスゴールを達成するためにはどうすればよいのか」を一緒に考え、Webサイトの改善はもちろん、経営改善をも提案していかなければなりません。
そのため、ウェブ解析士は英語で Web Analytics Consultant とも言われています。

例えば、Webサイトだけで完結しないビジネスがあったとします。
リードジェネレーションサイト(見込み客獲得のためのサイト)などですね。

そのようなサイトは、Webサイトから来た問合せに対して「商談」を経て、はじめて成約に繋がります。

Webサイトは見込み客獲得のためのツールでしかありません。
つまり、Webサイトのみを改善したとしても、その後の「商談」自体に問題があれば、ビジネスの成果を上げることは難しいのです。

ウェブ解析士は、Webの知識だけではなく、お客様のビジネス自体を深く理解する必要があります。

カリキュラム

資格は3段階に分かれており、「ウェブ解析士」「上級ウェブ解析士」「ウェブ解析士マスター」となります。

ウェブ解析士

以前は、初級ウェブ解析士 だったものから、ウェブ解析士に改称となったようです。

ウェブマーケティング、ウェブ解析に関する以下の基礎知識を習得、共通の用語認識の基に、営業・制作・開発・社内ウェブマスター業務等の遂行・業務効率化を可能にすることを目指します。

・ウェブマーケティング、ウェブ解析を行う上で必要な用語(定義~使い方)
・アクセス解析から得られる情報の認識・分析方法・計算方法(用途に応じた適切な利用)
・ウェブ解析による課題の発見方法と改善手段(事業成果に繋がる解析の考え方)

上級ウェブ解析士

ウェブマーケティング、ウェブ解析に関する以下の応用知識を習得、データの正しい認識(読み取り)の基に、クライアント及び社内経営陣(上長)説明・説得、新しい取り組み施策等以下の事業の成果に繋げる提案(コンサルティング)及び提案スキル向上(提案内容の付加価値化)を可能にすることを目指します。

・KPI(重要業績評価指標)の設定とウェブマーケティング計画の設計・立案(事業目的に対して適切な計画)
・時系列分析のセオリー、ウェブ解析の基準値、業務設計(業務効率化による事業収益化促進)
・分析結果のコメント・アドバイス方法(課題抽出と改善策、事業成果に繋げる提案ポイント)

ウェブ解析士マスター

ウェブマーケティング、ウェブ解析(講座・資格制度)に関する教育研修のためのスキル(技能・技術)と知識(講座開設から資格認定まで)を習得、自らが講師として独自に講義を開設し、教育機関(大学・専門学校、職業訓練校等)や企業(出張・社内研修等)で認定講座の講義と指導を行うことを可能にすることを目指します。

・ウェブ解析士・上級ウェブ解析士認定講座開設
・講座集客のためのセミナー開設
・ウェブ解析士・上級ウェブ解析士の指導

「ウェブ解析士」を取得するだけでも、かなり知識が身につくと思います。

更にスキルアップしたい方や、講師として活躍したい方、コンサル・広告会社にお勤めの方などは、上級〜マスターの取得を目指していくと良いかと思います。

資格取得のメリット

  1. 試験勉強が実務でもかなり役に立つ
    試験をパスするには、予習が必須で、演習問題も多く出題されます。また、ウェブ解析ツールを用いたレポートを作成し提出する必要もあるため、知識だけでなく、実務能力も身につける事ができます。お客様への提案力も少なからず向上するかと思います。
  2. 就職でも有利になる
    ウェブ解析士は資格としてスキルを証明できるため、就職でも有利になる事があります。既に推奨資格としている企業もあるようですし、ウェブ解析士協会のサイトにも求人募集が多数掲載されています。
  3. 広がった人脈から様々な情報を収集できる
    ウェブ解析士協会では定期的な講座や勉強会などを開催しており、同じウェブ解析士や講師の方々など、様々な人たちと交流できる機会があります。刺激を受けたり、情報交換を行うことができます。

試験の難易度

ウェブ解析士になるには、一般社団法人ウェブ解析士協会が行っている認定試験に合格する必要があります。

正直、難易度は高いと思います。

今年から「初級ウェブ解析士」が「ウェブ解析士」へ変更になったことで、難易度も上がっているとの事です。

ただし、試験中は公式テキストと電卓を使用することができるので、どうしても解けない問題は公式テキストで答えを確認することもできます。

問題数60問に対して、試験時間が60分しか無いため、都度テキストを確認する時間はなく暗記や予習は必須と言えます。
また暗記だけでは解けない、計算問題も多いので試験対策を怠るとかなり苦戦すると思います。

私が今回受験した「ウェブ解析士」の出題形式は4択で、70%以上が合格ラインとなっており、試験が終了したその場で結果が分かる仕組みになっています。

ちなみに、2017年7月末の合格率は 71.9%(ウェブ解析士) とのことです。
(2017年7月末)ウェブ解析士の受講者と合格率 ― ウェブ解析士協会

試験までの1ヶ月間

それでは、私が試験までの1ヶ月間に行った対策をご紹介したいと思います。

私は平日はフルタイムでの勤務だったため、隙間時間や休日を利用しての勉強でした。
正直、結果はギリギリでしたので、これから受けられる方は余裕を持って2ヶ月〜3ヶ月前から学習を開始されることをオススメします。

また、私はWeb制作会社に勤めていることや、日常的にGoogleAnalyticsに触れているという事もありましたので、全くのWebや解析ツールの知識が無い方は余裕を持って対策を行った方が良いと思います。

使用したテキスト


ウェブ解析士 認定試験公式テキスト2017(第8版)
目次

  • 第1章 ウェブ解析とは
  • 第2章 事業分析
  • 第3章 KPIと計画立案
  • 第4章 ウェブ解析の設計
  • 第5章 ウェブ解析基本用語の理解
  • 第6章 流入の解析
  • 第7章 コンテンツの解析
  • 第8章 ウェブ解析の提案とレポート

320ページ/価格:4,320円

ウェブ解析士認定試験公式テキストです。

ページ数を見ると分かると思いますが、なかなか分厚いテキストです。
範囲も広く、読了には時間がかかりました。

1回読んだだけでは完全に理解できない章や、暗記に苦労した箇所もあるので、最低でも3回は読み返すイメージを持って計画を立てて下さい。


公式テキスト2017年版(第8版)対応 ウェブ解析士認定試験 対策問題集 Kindle版
補強問題を含めた152問収録。
327ページ/価格:1,250円

実際のウェブ解析士認定試験の出題内容に基づいて作成された問題集です。
過去問集ではありませんので、試験ではもちろんこの問題集には載っていない問題も多数出題されていました。

それでも、出題形式が4択になっていたり、計算問題も多く収録されていますので、実際の試験をイメージしていただきやすいかと思います。

解説が不十分な問題もありますので、解けなかった問題は、はじめに紹介した公式テキストでしっかりと復習してください。

kindle版のみですが、iPhoneのkindleアプリでも不便なく読むことが出来ました。
出先でも手軽に読めるのは良いですね。

特に勉強したこと

  1. 計算式を覚える

    試験には計算問題が多く出題されています。

    テキストの、第3章 KPIと計画立案では、結構複雑な計算が必要な場面も多かったです。

    試験中は電卓を使用できますが、そもそもどのように計算して良いのか分からなければ解くことができません。

    テキストでは、計算式を丁寧に解説してくれています。
    私は、問題集を活用しながら、自分で数字部分を変えて解いてみたり、計算問題は一番時間をかけて勉強しました。

  2. 略語を覚える

    略語とは、Click Through Rate → CTR のように、略された用語です。
    ちなみにClick Through Rate (クリックスルーレート)は、クリック率のことです。

    私はiPhoneの単語帳アプリで、用語を書き溜めて空き時間に復習していました。

    特に、計算問題にも使用されている略語を中心に覚えました。

    例えば、「クリック率を求めよ」といった出題ならいいのですが、「CTRを求めよ」と出て来る場合もあります。

    計算問題で使用されそうな略語をまとめておきますので、宜しければ参考になさってください。

    計算問題で使用されそうな略語
    ARPPUAverage Revenue Per Paid User
    課金したユーザー1人当たりの平均単価
    ARPUAverage Revenue Per User
    ユーザー1人当たりの課金額
    CTRClick Through Rate
    クリック率。広告が表示された回数のうちクリックされた回数の割合。
    CTCClick To Conversion
    総クリックに占めるコンバージョン数の割合
    CPEClick Per Engagement
    1エンゲージメントあたりの広告コスト
    CPMCost Per Mille
    広告の表示回数1,000回あたりの料金
    CPACost Per Acquisition
    顧客獲得単価
    CPCCost Per Click
    広告のクリック単価
    ROIReturn On Investment
    広告費用に対して得られた利益の割合
    ROASReturn On Ad Spend
    広告費用に対して得られた売上金額

あとは、各フレームワークに関する用語も覚えておくと良いと思います。
KGI・KPI・KSF や PDCAサイクル、3C分析などです。

役に立ったサイト

アイクラウド ウェブ解析士用語集

ウェブ解析に使用する用語がまとめられています。
章ごとに探すこともできるので、大変便利です。
問題を解きながら「なんだっけ?」といった用語があれば、わざわざテキストから探すよりも、効率よく調べることができます。

試験当日と合格後のレポート

試験までの1ヶ月間上記のような対策を行い、試験当日は講座を受講 → 試験 といった流れでした。

講座は、テキストの総復習といった感じでした。
演習が多かったので、試験前にしっかりと復習ができました。

また、テキストでは理解できなかった部分も講師の方に質問ができますので、不安な方は講座を受講されることをオススメします。

私の場合は、講座と同じ会場で試験まで行いました。
準備されたPCでポチポチと回答していきます。
60分では時間が足りず、結局2問くらい解けなかったと思います。

先述しましたが、試験が終了したその場で結果が分かる仕組みになっています。
私は正解率78%で、なんとか合格することが出来ました。

認定試験合格後は、受験日から1ヶ月以内に認定申請レポートを提出します。
レポート自体は普段からGoogle Analyticsに触れている方であれば、そんなに難しいものではないかと思われます。
私は仕事の合間にレポート作成を行っていましたが、3日もあれば完成します。

採点は講師の方が行ってくれるので、どうしても分からない事があれば相談してみても良いかもしれません。

受験してみての感想

私は、ウェブ解析士を受けて良かったと思っています。

今回は、ウェブ解析士の資格取得を目標に勉強をしていましたが、単にWeb解析のことだけではなく、フレームワークや、様々なマーケティング手法など、実務でも非常に役に立つ知識を幅広く学べます。

Webサイト制作やリニューアル提案の際にも、以前はただアクセスを増やすことばかり考えていました。
しかし今回の試験勉強を通して、最終目標を意識した計画立案の必要性を学ぶことができました。

資格取得後、実際の業務に活かすことで更に自身のスキルアップにもなりますし、Web業界に入社したての方にも提案力を向上させる近道になると思います。

少しでもウェブ解析士に興味を持ち、この記事をご覧くださっている皆様にも是非、挑戦してみることをオススメしたいです。

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Author | Shiori Ikehara / 55,964views

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