神戸北野ハンター迎賓館 kitano-hunter.co.jp
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Director : Hana Suzuki
Designer : Yuri Takeuchi
Engineer : Taku Matsumura
寄り添う「和の異人館」
異国情緒あふれる町、北野町。神戸港開港後にやって来た外国人たちの旧宅が今もなお立ち並んでおり、外国の文化や歴史を穏やかな時間の中で感じることのできる神戸の人気観光エリアです。
そんな西洋建築が立ち並ぶ中、貴重な日本家屋として一線を画す神戸北野ハンター迎賓館様(以下、「ハンター様」)。日立造船の創業者E・H・ハンター氏が、かつて愛する妻のために築いたとされる邸宅で、新郎新婦のハレの日にそっと寄り添っておられます。
実はリニューアルのご依頼をいただいたのは今回が2度目。1度目はオープンから15周年を迎えた2019年、1日1組のプライベートウェディング会場として新たなスタートを切られたタイミングでした。そして時が流れ、結婚式のあり方や価値観が少しずつ変わり始めた2023年、あらためて「ハンターとは何なのか」を見つめ直し、大切にしているお考えや世界観を余すことなく表現できる場をつくりたいという想いのもと、2度目のサイトリニューアルのご依頼をいただきました。
たくさんの力が合わさって
私たちが制作するうえで大切にしていること。それは完全内製でお仕事させていただくことです。なぜなら、制作に関わる全員が直接お客様とお会いし、お客様の会社を肌で感じ、サービスや製品に触れて初めて、伝えたい想いをデザインに落とし込めると考えているから。
ですが今回は、数年前までハンター様で勤めておられた田村様が本プロジェクトに関わってくださることになり、「誰よりもハンター様のことを知っている田村様を中心にプロジェクトを進めた方が、よりお客様のためになるはず」そう感じた私たちは、相談の末、田村様が信頼されているクリエイターの皆様にお力をお借りしながら制作をおこなっていくよう、従来とは違う進め方に挑戦することになりました。
上記の選択ができたのも、1度目の制作時からずっと私たちのことを大切にしてくださり、良い信頼関係を築いてくださっていたハンター様のおかげです。ハンター様のためにより良いものをご提供したいという想いから湧き上がった最適な選択肢でした。
時間、空間、心に「余白」を
本プロジェクトの重要なキーワードは「余白」。静かで穏やか、そしてほんの少し緊張感のある、そんな心地よい1日を新郎新婦のおふたりに感じてほしいという想いからでした。
田村様が「余白」を生み、ライターの加賀谷様が「余白」を紡ぎ、カメラマンの増田様が「余白」を映し、デザイナーの嶋田様が「余白」をカタチにする。
私たちが担当したのはデザインの一部とコーディングでしたが、皆様の工程や、垣間見えるこだわりがなんとも綺麗で美しく、この繊細な表現を私たちもしっかりと受け止め繋げていかなければと、身が引き締まる想いで制作させていただきました。
サイトを通して、余白が織りなす、ゆったりとした時の流れを感じていただければと思います。
さいごに
初めてで不慣れなことも多く、ご迷惑をたくさんおかけしてしまった制作期間ではありましたが、皆様が温かく受け入れてくださったおかげで、いちディレクターとしても、一人の人間としても、成長するチャンスや気づきの機会をたくさんいただくことのできた大切な経験だったなと感じます。
そして公開後、ご担当の藤原様が「担当が鈴木さんと竹内さん(デザイナー)で本当に良かったです!ありがとう」と直接御礼を伝えに来てくださったことがありました。張り詰めていた気持ちがじんわり癒えたと同時に、藤原様の温かいお言葉に恥じぬようこれからも頑張っていきたいと、あらためて思うことのできた大切な1日になりました。本当にありがとうございました。
たくさんの方にお力を貸していただいたからこそ、こんなにも素敵なサイトを制作することができたのだと思います。携わった一人ひとりのこだわりが詰まった本サイトが、ハンター様、そして新郎新婦様の温かな未来に繋がりますことを心から願っております。