日隆運輸グループ（採用サイト） he-group-recruit.jp
Credit
Designer / Engineer : Takuto Matsunami
photographer : Knotphotography
6年ぶりのWebサイト制作
関西を中心に、全国各地に拠点を持たれる日隆運輸グループ様（以下、「HEグループ様」）。1947年に谷運送店として創業して以来、変わることなくお客様のもとへお荷物を届けていらっしゃいます。
そんなHEグループ様と弊社の出会いは2017年のこと。当時の担当ディレクターが、運送業界の方々が集まる交流会で出展を行った際、参加されていた代表の谷様からコーポレートサイト制作のご依頼をいただいたことが始まりでした。
それから月日が流れた2023年、谷様から一本のご連絡が。早速お話を伺ってみると、「求職者の獲得にもっと力を入れたい」「2024年問題*への取り組みをアピールする場をつくりたい」という想いを聞かせてくださいました。それならばと、求職者にターゲットを絞った情報を盛り込めるだけでなく、ありのままを柔軟に表現できる採用サイトが適していると考え、採用サイト制作をご提案させていただきました。 こうして、谷様と弊社の6年ぶりのプロジェクトはスタートしました。
*トラックドライバーの年間時間外労働時間の上限が、960時間に制限されることによって発生する問題の総称です。
伝えたい4つのこと
谷様は採用サイトを通して3つの伝えたいことがありました。
- 採用基準は、経験者かどうか、年齢、性別などではなく、とにかくやる気や誰かの役に立ちたいという想いがあるかどうかであるということ
- 2024年問題に対して、HEグループは真摯に向き合い、いち早く取り組みを行なってきたということ
- 「男くさい」「女性は働けない」「ブラックな業界」という運送業界に染みついたイメージを変えるということ
そして私は、HEグループ様との交流を通し、上記の3つに加えてもう1つ伝えたいことができました。それは、まっすぐに届く皆様の温かいお人柄でした。弊社が制作を始める前、200人を超える皆様にアンケートをとらせていただいたのですが、その中の「HEグループの好きなところはどこですか」という質問に対して、ほぼ全員から「皆んなの人柄が良い」「家族のような存在」「このメンバーだから毎日頑張ろうと思える」といった仲間へのリスペクト溢れる回答をいただきました。
また、取材や撮影を行う中で垣間見えた皆様の素敵な関係性を肌で感じ、HEグループ様のこの姿が100%伝わるサイトにしなければ、というなんとも幸せな責任感でいっぱいになったことを覚えています。
言葉に込めた想い
キャッチコピーの「運ぶミライは新しい」。これには未来を連想させる2つのことからインスピレーションを受けています。
まず1つ目は、運送業界と企業の視点から見る未来です。今大きな変化を求められている運送業界、またこの状況を前向きに捉え、楽しみながら向き合っているHEグループ様の姿勢を表現できればと考えました。2つ目は、求職者の視点で見る未来です。運送業界への就職やキャリアチェンジには、新たな可能性や成長をもたらすチャンスがあるということや、HEグループ様は求職者の未来を変えるにふさわしい場所であるということを伝えたい。そういった想いをこのキャッチコピーに込め、ご提案させていただきました。
そしてキービジュアルのすぐ下にあるコンセプトは、谷様への取材を経てつくらせていただいたものなのですが、中でも印象的だったのは「仕事へ求めることは人それぞれ。でも私は大切な人と過ごす時間を当たり前なものにしてあげたい」というお話。2024年問題に向き合う姿から感じた使命感や強い意志、そして従業員の皆様への愛情をどうすればしっかりと伝えられるのか、書いては消してを繰り返しながら心を込めて執筆させていただきました。今は苦しくても、いつかこの業界で働く全員が幸せに過ごせるように、そしてその先頭を走るリーディングカンパニーがHEグループであれたなら、そんな谷様の想いが凝縮されたメッセージになっています。
またスクロールすると黒い背景が青色に変わるのは、コーポレートカラーである青色でブラックな運送業界を塗り替えていくHEグループ様の姿を表現しています。
お客様から生まれた小さなこだわり
制作を行うにあたってアンケートのご協力をお願いした際、きっと全員からのご回答をいただくことは難しいだろうと思っていました。ですが続々と私のもとへ届いたのは、ぎっしりと回答が書き込まれたアンケート用紙の数々。仕事に対する考え方や求職者に向けた言葉など、一つひとつを拝読しているうちに、どうにかしてできるだけ多くの言葉をサイトに載せられないかなと思うようになりました。
そうして急遽デザインに追加されたのが、ローディング画面とエントリーボタン横の、求職者に向けた先輩方からのメッセージです。ローディング画面に関しては、色々な言葉を受け取ってほしいという遊び心から、いくつかの言葉がランダムに表示されるような仕様になっています。
その他にも、プレゼンを行った際に谷様がぼそっとおっしゃった「ここが『HE』になったら面白いね」という言葉。喜んでいただけるならとデザイナーへお願いし、隠れHEをサイト内に忍ばせてもらうなど、皆様とのやりとりから生まれたアイディアがたくさん詰まったサイトとなりました。制作を終えて
本当はもっと詳しく、そしてまだまだ書きたいことがあるのですが、あまりにも長い実績ブログになってしまいそうなので泣く泣く最終章としました。
日頃から制作が円滑に進むようご協力くださっていたことはもちろん、プレゼンをした際に「わあ！」と拍手をしてくださる谷様につられて私も一緒に拍手をしてしまったり、「代わりに会社で話してほしいくらいです」という恐れ多いお言葉に嬉しくなったりと、弊社が楽しく取り組めるように、細やかなお心遣いをくださる谷様の姿がとても印象的でした。
おかげで、お客様を知る努力やそれを形にする努力を惜しまないようにしようという想いも、私の中でさらに膨らんでいったように思います。HEグループ様のブログにもあった「『努力』次第でもっと仕事はおもしろくなる」、これをまさに経験させていただいた制作期間でした。
また今回も撮影にお力添えくださったKnotphotography様。かっこいいお写真、柔らかいお写真、色々なHEグループ様の表情を残してくださっただけでなく、一緒になって現場の和やかな空気をつくってくださいました。
谷様をはじめ、ご担当者の皆様、Knotphotography様、ご協力くださった全ての方々に改めて御礼をお伝えさせていただくとともに、こだわり溢れる本サイトが、運送業界の素晴らしさをより多くの方々に知っていただけるきっかけになりますことを、心から祈っています。