中谷会計事務所 nakatani-tac.jp
Credit
Director : Yuri Torigaki
Designer / Engineer : Mineo Okuda
Photo：Mineo Okuda / Yui Komatsu（lily design inc.）
ご縁がご縁をよび
和歌山県新宮市に拠点を構え、税務・会計の側面から経営のサポートをされている中谷会計事務所様。「お客様に寄り添い、安心と成長を。」という理念のもと、税務・会計のみならず、相続・贈与、設立・開業支援など、お客様のご要望にあわせて柔軟に対応されています。
そんな中谷会計事務所様とのご縁を繋いでくださったのは、新宮市の葬儀社アスカフューネラルサプライの田中様です。
新宮市のお客様はご紹介でおつながりをいただくことが多く、これまで10社以上のお客様のサイトを制作させていただきました。
そして今回も、田中様より「サイト制作を検討している人がいるので紹介したい」とご連絡くださったのです。
早速、所長の中谷様にお話を伺うと、サイトリニューアルを検討されているご様子。
その経緯などを伺っているうちに、新事務所の建設を予定されているというお話が上がりました。事務所を新設されるということは、事務所のコンセプトや目指す未来も変わるのではないかという観点から、サイトリニューアルは新事務所建設後のタイミングが最適なのではとご提案させていただきました。
このご提案に中谷様もご納得くださり、事務所完成の目処が立った頃にあらためてご連絡をいただくことになりました。
そして、それから約半年後。事務所の建設も順調に進み、完成の見通しが立ったとのことで、正式にサイト制作のご依頼をいただきました。
つながりを生む場
現所長の中谷公大様は、お祖父様、お父様から引き継がれて3代目。そして、新事務所を建てられるというこのタイミング。これまで受け継がれてきた想いを大切にされつつも、新たな挑戦をされている今、中谷様はどのようなことを大切にされ、どのような未来を描いていらっしゃるのか。
お話を伺っている中でポイントだと感じたのは以下の点です。
- 週一回ほどお客様先へ伺い、ご相談や悩みをお聞きする時間を大切にしている。
さらには、雑談も交えてコミュニケーションをとることで、お客様との距離が縮まり、会計以外の側面も見えるようになる。 - 他士業の方とも連携しながら問題解決していきたい。
そしてゆくゆくは、どこに相談すればよいか分からないという時に、まずは中谷会計事務所様へ相談してもらえるような体制にしたい。 - お客様とのつながりだけでなく、お客様同士のつながりや所内スタッフ同士のつながり、すべてを大切にし、つながりを生むハブのような存在になりたい。
- 会計事務所に対する「堅い」というイメージを払拭したい。
さらに、印象的だったのは、中谷様ご自身のこれまでの歩みやモットーをお聞きした時におっしゃった「せっかくの人生、わくわくしたいんです。昔から私が一番大切にしているのは、人生を楽しむこと、楽しく生きることですね」というお言葉。中谷様が、お客様やスタッフ様をはじめ周りの方々に楽しんでもらうには、そしてご自身も楽しむには、という思考を軸として、さまざまな挑戦をされているというのが伝わるお話でした。
これらのお話から着想を得ながら、デザインや動き、テキスト、写真、すべての側面から「中谷会計事務所様らしさ」を追求していきました。
【デザイン・動き】
キャッチコピーにおいては、「each」の部分はあえて字体を変え、eachが意味する「それぞれ」（≒個性）をデザインでも表現しました。また、eachの部分は「your」にも切り替わる仕様になっており、「あなたに合った最適な解決策を」という想いも込めることで、より訴求力を高めました。
その他の部分においても、写真の表示方法など細部にまでこだわり、スクロールするのが楽しくなるような仕掛けを盛り込んでおります。
【テキスト】
誠実さや実直さを大切にしつつも、堅くなりすぎないほどよい柔らかさを意識。皆様のお人柄と通ずるような気質を表現したいと思い、文章を構成していきました。
【写真】
新たな事務所が完成して間もない頃に撮影させていただき、新事務所とサイトのコンセプトの統一をはかりました。
笑顔溢れる撮影現場
私たちが撮影のために現地へ伺ったのは、事務所内に家具が運び込まれたばかりというタイミングでした。
外観が見えた瞬間、私の中でイメージする会計事務所とはまったく異なるその佇まいに「本当にこれが会計事務所…？」と驚きが隠しきれませんでした。
中に足を一歩踏み入れると、あたたかさと光に満ちた空間が広がっていました。一スペースずつご説明いただきながらじっくり見学させていただく中、すべてのスペースで共通して感じたのが居心地のよさ。地元の方々が集い、憩いの場となっている未来、スタッフの皆様が生き生きと働かれている姿や談笑されているシーンが自然と目に浮かびました。
どこを切り取っても絵になるような空間に私たちもわくわくし、ここにスタッフ様の笑顔が加われば、さらに素敵な写真が撮影できるに違いないという確信を持ちながら、翌日の撮影に向けてシーンや構図を検討していきました。
そして迎えた撮影当日。スタッフの皆様にもお力添えいただき、一日かけて撮影を行いました。
皆様には業務の合間を縫ってお時間を頂戴しているにもかかわらず、「こういったシーンが撮りたくて…」とお伝えすると「ぜひ！」「いいですね」と快くご了承くださったり、撮影がスムーズに進むよう「できることがあれば何でも言ってください」とおっしゃってくださったり。さらには、私たちにも「遠いところわざわざありがとうございます」と声をかけてくださったりと、皆様のお心遣いに心が温まる瞬間でした。
また、今回の撮影はlily designの小松様にもご協力いただいております。
lily design様は、アスカフューネラルサプライ様のデザイン部門が分社化して設立されたデザイン会社様です。ロゴデザインやグラフィックデザインに加え、店舗や広告のデザインなども手がけていらっしゃり、クリエイティブ面から企業・事業のブランディングのお手伝いをなさっています。
小松様には以前、うなぎ料理 鹿六様の撮影でもお力添えいただいたということもあり、またご一緒できることをとても楽しみにしておりました。
当初は、私たちが撮影しきれなかった分を別日に小松様に撮影していただくという形で依頼しておりましたが、私たちが現地へ伺う日をお伝えすると、小松様は「ぜひその日も参加したいです！」とおっしゃってくださり、撮影のサポートもしてくださりました。
カメラを向けながらスタッフの皆様の緊張をほぐすようにお声がけくださる小松様のご協力のお陰で、皆様の自然な笑顔を写真におさめることができたと感じております。
らしさが光るページに
「用がなくてもふらっと立ち寄れるような場所にしたい」という中谷様のお言葉通り、いい意味で会計事務所らしくない佇まいの新事務所。
そして、実直さと誠実さ、親しみやすさを兼ね備えたスタッフ様。まさに「お客様に寄り添う」という理念を解釈し、体現されているのが伝わりました。
信頼感や堅実さの中にある親近感と遊び心のエッセンス。この「中谷会計事務所様らしさ」を表現するため、スタッフ紹介ページ用の個人写真では、全員に白シャツを着用していただきました。
このご提案も皆様は前向きに受け入れてくださり、撮影前には、お互いに着用する予定の白シャツの写真を送り合われたそうです。「サイト制作を通して、こんな風に所内でコミュニケーションが生まれるとは思わなかった」というお言葉をいただき、私たちもとても嬉しく思いました。
純潔で爽やかな印象の白シャツを身にまとっていただくことで、より皆様のお人柄を引き立てつつ、一体感があらわれるページとなりました。
また、人となりが感じられるプロフィールを掲載するとともに、座右の銘や好きな言葉を自筆していただきました。これは、お打ち合わせ中に中谷様がふとおっしゃった「字には人柄が出るからね」という何気ない一言をヒントにし、ご提案させていただいたものです。
選択されたお言葉にも、字にも、お一人お一人の個性が光り、その方らしさが最大限に引き出されていました。
皆様のお人柄や魅力が伝わり、お客様との会話のきっかけにもなればという想いで制作したページ。カーソルを合わせると、皆様の素敵なお人柄をより感じていただけますので、ぜひご覧ください。
さらに、ブログ記事の更新に対しても皆様前向きで、全員での輪番制で更新していきたいと意気込んでくださっていたことから、記事ごとに投稿された方のお名前と顔写真が表示される仕様にし、お一人ずつの記事一覧ページも作成しております。
サイト公開前には、皆様にお時間をいただき、記事作成方法のご説明に加え、記事を更新していく意味、そして、運用ルールなどについてもアドバイスさせていただきました。
今後、皆様の個性溢れるブログ記事が更新されるのを私たちも楽しみにしつつ、記事作成を楽しんでいただくためのサポートができればと思います。
制作期間をふりかえり
制作期間の中でも特に思い出深いのは、トップページをご案内した後のこんな出来事です。
お打ち合わせ後、中谷様へお電話を差し上げると、その裏でスタッフ様がとても盛り上がっていらっしゃるご様子。「今皆さん集まっていらっしゃるんですか？」とお尋ねすると、「早速モニターにトップページを映し出して全員で見ているんです」と中谷様。
その後、スタッフ様から「素敵なサイトをありがとうございます」というお言葉も直接いただき、嬉しさがこみ上げると同時に、さらに身の引き締まる思いがしました。
サイトの公開間際は、会計事務所様の一番の繁忙期とされる時期と重なっていたということもあり、お打ち合わせの時間を頂戴することに少し心苦しさを感じている中、中谷様はどれだけお忙しくても嫌な顔一つせずにお打ち合わせにご参加くださりました。さらに、お打ち合わせ後のメールには「今日も楽しかったです」という一言を添えてくださるそのお心遣いに、感銘を受けたことを今でも覚えています。
私たちもわくわくしながら制作を進めさせていただけたのは、中谷様をはじめとする皆様のお人柄があってこそのことです。楽しい時間をありがとうございました。
ここまで弊社の視点から制作期間の様子をお話させていただきましたが、その一方で中谷様はどう感じていらっしゃったのか、生の声を伺ってきました。
その様子は、「お客様の声」として別の記事でご紹介しております。公開後の反響なども伺っておりますので、ぜひこちらもご覧ください。