mushi labo mushilabo.jp
Credit
Director : Mariko Nishizawa
Designer : Takuto Matsunami / Chiho Rokukawa
Engineer : Taku Matsumura
小さな虫の世界
小さな虫の世界の奥深い魅力を、これからの子どもたちに伝えていきたい。そんな想いで、世界中の昆虫標本を取り扱っておられるmushi labo様。他事業のサイト制作をご相談をいただいた経緯から、mushi labo様とのウェブサイト制作がはじまりました。
虫や自然が大好きな代表の河原様は、小さな虫の魅力や、一見同じように見えてもそれぞれ異なる種類の虫の特徴をいつも楽しく教えてくださり、お打ち合わせは毎回大盛りあがり。虫好きではなかった私も小さな虫の世界を少しずつ知り、どんな風にその魅力を伝えようかと、わくわくしていたことを思い出します。
目的と課題
mushi labo様は、昆虫の学問的な知識や非常に珍しい昆虫の標本を所有しておられます。その珍しい昆虫標本は昆虫マニアの方にとっては大変貴重で、人気があるとのこと。これまではご自身でサイトをつくり少しずつ販売をおこなっておられたようですが、これからは新しいターゲット層へも世界観を伝え、新たな取り組みも含め一層力を入れて事業をおこなっていきたいとのことでした。
- 子どもに虫の魅力を伝えていきたい
- 若い女性をはじめとする昆虫マニアの方以外の方にも興味をもってほしい
- 学校やイベント主催者に向けて標本レンタルもおこないたい
- 標本のみならずアートやインテリアとしても展開していきたい
取り扱うものが「昆虫標本」と、とてもマニアックなもの。昆虫が好きで標本を集めておられるマニアの方は毎晩色々なサイトをチェックし、目的のレアな昆虫標本を探しているとのお話をお伺いしました。一方で、若い女性や普段あまり昆虫に馴染みのない大人層は「昆虫」と聞くと、ポジティブなイメージを持たない方も。そんな方々にも抵抗がなく、ちょっとユニークなアートやインテリア、学習の一環として知ってほしい。お打ち合わせを重ねる中で、そんな事業の方向やご要望をお伺いし、ウェブサイトでどう伝えるべきか、考えていくことになりました。
世界観を伝える
「小さい頃、虫網を片手に夢中で虫を追いかけていた」
「今ではすっかり無縁のように思えても、虫を観察したり昆虫図鑑を眺めた記憶が蘇る」
今、虫の記憶を辿ったとき、きっと多くの人がそんなことを思い出すのではないでしょうか。多くの人にとっては普段気にかけることは少なくなってしまったかもしれないですが、虫は自然とともに存在していて、私たちとも切っては切れない存在です。そんな虫の世界を伝えていくことで守っていきたいというmushi labo様の想いをウェブサイトで表現いたしました。
サイトのデザインは、忘れかけていた思い出の物語をめくるように、また昆虫図鑑をめくるような本のイメージに。キャッチコピーは「Insects in wonderland」とし、昆虫の不思議な世界の物語のタイトルのようにいたしました。また、物語や図鑑のページをめくる動きをイメージし、本サイトは横スクロールにして世界観を伝えられるよう工夫いたしました。
また、制作にあたり撮影もおこないました。何万頭にも及ぶ昆虫標本があるというご自宅にお伺いし、それぞれの昆虫の特徴や採集時のお話を伺いながら撮影いたしました。キービジュアルには美しく、また昆虫マニアの方の目に留まるという珍しい波照間産のキシタアゲハのお写真を使用。mushi labo様は、昆虫標本だけでなく植物と昆虫標本を使用したアートやインテリアも取り扱っておられるため、昆虫だけにフォーカスせず、普段昆虫に馴染みのない方でも抵抗なく見ていただけるよう、植物のイメージも使用いたしました。
制作を終えて
公開してしばらく経った頃、河原様とお話する機会があり、その後のmushi labo様について伺ったところ、遥々遠くから何度も昆虫標本を見に来てくださる方や、お問い合わせフォームへ「素敵ですね」と問い合わせてくださる方が早速いらっしゃったとのこと。また、新たに始められた昆虫標本のレンタル事業についても興味を持ってくださる方がいて、サイトのおかげで新しい事業もどんどん進んでいきそうとのお言葉をいただきました。もちろん、mushi labo様の事業の珍しさや専門性があるからこそのことではございますが、ウェブサイト制作を通して少しでもお役に立てたこと、とても嬉しく思います。
お忙しい中、何度もお打ち合わせや撮影に快くご協力くださった河原様、この度は誠にありがとうございました。これからもブログやイベント、商品情報の更新などコンテンツ発信を通して、サイトを育てていただけることを楽しみにしております。そして、本サイトを通して「小さな虫の世界」の魅力が多くの方に届きますよう、心より願っております。